犬が人間に飛びついてくる行動は、犬にとっては自然な行動です。
甘えてきている場合には、とても可愛らしく感じられる行動に見えますが、実は飛びつきはとても危険な行動です。
飛びついたはずみで相手に怪我を負わせてしまったり、愛犬が怪我をしてしまう可能性もあります。
事故が起こる前に、愛犬の飛びつき癖を直していきましょう。
この記事では、犬がとびつく理由と、しつけ方法について解説します。
飛びつきの危険
飛びつきは、いわゆる「問題行動」と呼ばれていますが、犬が人間や他の犬に飛びつくことは、具体的には何が危険なのでしょうか。
飛びつくことで、飼い主や他の人にも怪我をさせてしまう恐れがあります。
特に、高齢者や小さな子どもが相手だと、転んで骨折するなど大惨事にも繋がりかねません。
また、飛びつき癖から興奮状態を加速させ、赤ちゃんや他の犬を噛むような事件に発展してしまったケースもあります。
さらに、怪我をする可能性があるのは、他人だけではありません。
飛びついている犬自体も非常に危険で、骨折や脱臼の可能性があります。
このように、飛びつき行為には危険がたくさん潜んでいるのです。
どうして飛びつくの?
犬が人間に飛びついてくるのには、いくつかの理由があります。
飛びつく理由によって対処の仕方が変わるので、飛びつく理由を知ることは大切です。
・嬉しい
最も多くの飼い主さんが経験しているのが、愛犬が嬉しくて興奮しながら飛びついてくる行為です。
飼い主の帰宅や来客などのタイミングで興奮し、喜びを表現しています。
また、散歩中に気持ちが高揚して飛びつく犬もいます。
飛びつかなくても嬉しい気持ちを表現することはできるので、しつけをして直しましょう。
・要求
甘えたい時や、かまってほしい時、飼い主の持っている物が欲しい時など、何かしらの要求があるときに飛びついてアピールしてきます。
大きな音がするなど恐怖心からの要求であれば、飼い主は犬を守ることを優先するべきですが、それ以外の要求については、きちんとしつけをすることで直せます。
・威嚇
相手を威嚇して攻撃するために、飛びつこうとすることもあります。
攻撃をしかけているので、相手に怪我を負わせるリスクが非常に高く、極めて危険です。
愛犬が攻撃的になりやすい状況を把握し、回避できる状況は回避しながら、しつけも進めていきましょう。
・本能
犬の本能で、急に飛びつくことがあります。
例えば、ボールなどの玩具や、猫などの動くものに興味を示し、飛びつくことなどがあります。
本能による行動を完全にしつけでなくすことは難しいですし、犬にとってストレスにもなります。
飛びついて遊ぶための玩具などを与えて、安全に本能からの要求を満たしてあげることが大切です。
飛びつき癖のしつけ方法
多くの飼い主さんが悩んでいる飛びつき癖ですが、ちゃんと教えていけば、きちんと直すことができます。
愛犬の飛びつく行動が始まったら、すぐに低く落ち着いた声で「オスワリ」「マテ」と、犬の行動を落ち着かせるための指示をだします。
指示通りに行動出来たら、すぐに褒めてあげましょう。
すぐに指示が入らなくても決して慌てないでください。
飼い主の興奮した高い声は、犬にとっては喜びの声に聞こえてしまい、飛びつき行動がエスカレートしてしまいます。
必ず、低い落ち着いた声で、犬と目を合わせて指示を出すようにしてみてください。
リードを装着している場合には、リードを短くもって、飛びつけないようにすることも有効です。
飛びつこうとしても飛びつけないということを理解させた上で、「オスワリ」などの指示をだして落ち着かせましょう。
興奮している犬を落ち着かせることが大切です。
飛びつき癖を直すしつけをする前に、基本の「オスワリ」「マテ」「アイコンタクト」を教えるところから始めましょう。
愛犬と楽しく遊ぶために
愛犬と飛びついて遊んだり、自分の膝の上に飛び乗らせて抱っこしたりすることは、コミュニケーションのひとつでもあります。
飛びつける玩具などを利用するのも安全に飛びつき要求を満たせるので便利です。
全てを禁止しなくてはいけないのではありません。
楽しく安全に愛犬との時間を過ごすためには、犬が主導で動かないことが大切です。
犬が勝手に飛びついて遊ぶのではなく、飼い主の合図に合わせて遊び始め、飼い主の合図があったら遊びを終了できるように、日頃からトレーニングをして関係性を作ることが大切です。
まとめ
飛びつき癖は、相手にも犬自身にも怪我をさせてしまう可能性のある危険な行為です。
まずは、飛びつきの原因を探り、正しい方法で直していくことが大切です。
飛びつき癖のしつけは、1回教えただけでは、残念ながら直りません。
根気よく、冷静に取り組むことが大切です。
飛びつき癖を直すことは愛犬を守ることにも繋がりますので、愛犬との安全で楽しい暮らしのために、飛びつき癖を直すしつけを頑張ってみてください。