冬になると美味しそうなみかんが店先に並びます。
ヒトにとっては身近で、美容や健康に良い果物ですが、犬にとってはどうなのでしょうか?
結論から言うと、犬にみかんを与えても大丈夫です!
ただ、犬にみかんを与えるときには注意しないといけないことがあります。
さらに、みかんを与えてはいけない犬もいます。
ここでは、犬にみかんを与えるメリットと、与えるときの注意点を紹介していきます。
犬がみかんを食べるメリット
一般的なみかんである「温州みかん」に含まれる栄養について解説していきます。
ビタミンC
ビタミンCには抗酸化作用があり、免疫力向上効果があります。
また、ガンの予防効果も期待されていて、一部の病院ではガン治療として取り入れられています。
犬はヒトと違い、体内でビタミンCを合成することができるので、積極的にビタミンCを摂取しなくても大丈夫です。
ですが、さらにビタミンCを補給することは、犬のもつ免疫力を維持する助けになります。
βークリプトキサンチン
βークリプトキサンチンは、みかんに含まれるオレンジの色素であるカロテノイドの一種です。
体内に取りこまれるとビタミンAと同様の効果がある栄養成分で、骨粗しょう症の予防効果が期待されます。
また、ビタミンCと同じ抗酸化作用があるので、ガン予防効果も期待されている注目の栄養素ですが、犬にも同様の効果があるかは、まだ明らかになっていません。
ペクチン
みかんの果肉の袋にはペクチンが多く含まれています。
ペクチンは、食物繊維でお腹の調子を整える作用があります。
カリウム
カリウムは細胞内に多く存在しているミネラルでナトリウムとペアになって、細胞を正常に機能させるのに必要な栄養素です。
また、余分なナトリウムを排出する働きもしており、それにより心臓を正常に保つことができます。
水分補給
水分は犬にとっても大切なもので、生きるために水分を摂取する必要があります。
犬が1日に必要とする水分量の目安は、
体重【kg】×0.75乗×132【ml】とされており、体重5kgの犬なら440mlほどの量の水を飲ませてあげる必要があります。
みかんには水分がたっぷり含まれているので、水分をとるのが苦手な犬には、みかんを食べることで水分補給の補助効果もあります。
犬にみかんを与えるときの注意点
みかんを好きな犬は多くいて、実際、我が家には2頭の犬がいますが、2頭とのみかんが好きです。
どんどん与えなくなりますが、犬にみかんを与えるときの注意点があります。
与えすぎに注意!
みかんは犬にとっても良いことの多い果物ですが、多く与えてしまうと危険なこともあります。
まず、体に良いとされるビタミンCですが、過剰に摂取してしまうと尿路結石を引き起こす可能性があります。
また、水分が多く、食物繊維も豊富に含まれているので、食べ過ぎてしまうと下痢をしてしまう可能性があります。
みかんはオヤツとして与えるものなので、1日に必要なカロリーの10%以内におさめた方が良いです。
Mサイズのみかん1個では34kcalくらいなので、カロリーだけを考えれば、与えすぎになることはあまりないと思いますが、みかんを食べてフードが食べられなくなってしまうと、必要な栄養が偏ってしまうので注意してください。
1日に与えるみかんの量は
・体重5㎏以下の犬で0.5個
・体重10㎏以下の犬で1個
・体重30㎏以下の犬で3個
までにしましょう。
与えてはいけない部分に注意!
みかんの外皮にはソラレンという中毒物質が含まれていて、過剰に摂取してしまうと下痢や嘔吐などの症状が現れる可能性があります。
また、薄皮や白いすじは消化に悪いため、犬にみかんを与えるときには、外皮、薄皮、すじを取り除くようにしましょう。
また、熟していないみかんには、アルカロイドというアクの成分が含まれています。
アルカロイドは犬が食べると中毒を引き起こす可能性があるので、熟したみかんを与えてください。
みかんの加工品は注意!
みかんの缶詰、ジュース、ゼリーなどの加工品には、香料や砂糖などの添加物が含まれているので、犬には与えないようにしましょう。
アレルギーに注意!
みかんにアレルギーをもつ犬もいるので、初めて犬にみかんをあげるときは、少量食べさせて、アレルギー反応がないか確認するようにしてください。
万が一、下痢や嘔吐、口のまわりを痒がるなどの症状がみられたら、みかんアレルギーの可能性があるので、早めに獣医師に相談してください。
疾患のある犬は注意!
みかんにはカリウムが含まれているので、腎臓に疾患があって、カリウム制限を行っている犬には、みかんを与えない方が良いでしょう。
また、みかんには糖質も含まれているので、糖尿病、心臓病など糖質を制限している犬にも、みかんを与えない方が良いでしょう。
ダイエット中の犬も、カロリー制限を考えて与えるようにしてください。
食事制限が必要な腎臓病、糖尿病、心臓病などの疾患がある犬は、フード以外の食べ物を与える前に、食べても問題がないのか確認してください。
温州みかんには含まれていませんが、同じ柑橘系のハッサクやグレープフルーツなどにはフラノクマリンという成分が含まれています。
フラノクマリンは一部の薬と相性が悪く、影響を及ぼしてしまうため、服薬中の犬には与えないでください。
まとめ
人間にとって健康と美容に良いみかんは、犬にとってもメリットとなる果物です。
ですが、与え方によっては毒にもなる可能性があるので、注意が必要です。
犬にみかんを与えるときは少量のみで、心臓、腎臓、糖尿病などの疾患がある犬には与えない方が良いでしょう。
みかんには毒となる部分もあるので、犬が勝手に食べてしまわないように気を付けてください。