動物介在療法について学びたいとき、皆さんはどうやって勉強しますか?
技術を学ぶために、ドッグセラピーの現場に参加することはとても大切です。
でも、現場でドッグセラピーについて色々教えてくれる指導者に出会うことは難しいですし、現場にでるだけでは効果的なドッグセラピーをすることは難しいです。
経験することと合わせて、知識を得ることも、より良いドッグセラピーを行うために大切なことです。
そこで、この記事では動物介在療法の知識を得る方法を紹介します。
動物介在療法の知識とは?
動物介在療法や動物介在活動に参加するにあたり、知っておきたい知識があります。
・動物介在療法の効果
・動物介在療法におけるリスク
・セラピー犬の健康衛生管理
・対象者について
・セラピー犬の特性
ボランティア活動に参加する前に、簡単な勉強会が開催される団体もありますが、自分でも勉強しておくと安心して現場に入れますし、効果的な活動をすることも可能です。
何かトラブルが発生したときにも、対応しやすくなります。
上に列挙した項目で「セラピー犬の特性」に関しては、自分とペアを組んで行動するセラピー犬の特性となります。
どんな性格で、何を好んで何を嫌がるのか。
ハンドラーがどんな行動をすると、どのような反応をしめすのか、など、セラピー犬をよく知る必要があります。
これについては、誰かに教えてもらうのではなく、普段からセラピー犬をよく観察して把握しておきましょう。
「ドッグセラピーとは?」については、コチラの記事を参考にしてください。
学校で学ぶ
動物介在療法の勉強を、専門の学校ですることができます。
学校といっても、通学だけでなく通信もあるので、他の学校に通いながらや、働きながら勉強することもできます。
ヒューマンアカデミー たのまな
ヒューマンアカデミーが運営する通信講座 たのまなのドッグトレーナー講座では、「セラピードッグトレーナー」の資格を取得することができます。
セラピードッグトレーナーとして活動する為の知識と技能を身に着けられて、「家庭犬トレーナー」と「ペットロスケアアドバイザー」の資格を取得することもできます。
通信講座なので、自宅など好きな場所で勉強することができ、学業や仕事で忙しい方向けの勉強法です。
たのまなは、eラーニングや就職サポートシステムも充実しているので、動物介在療法を仕事として考えている方にも、頼もしい講座内容になっています。
ただし、動物介在療法の求人は非常に少なく、狭き門です。
eラーニングを見られるコースで100,100円(税込み)つかないと90,200円(税込み)と、他社の講座より良心的な価格設定になっています。
じっくり時間をとれない方が、隙間時間で犬に関連する知識を身に着けるのに最適な講座です。
NPO法人 日本アニマルセラピー協会
アニマルセラピストについて学習することができて、NPO法人日本アニマルセラピー協会の認定資格「アニマルセラピスト」を取得できます。
対面授業またはオンラインで学習できるインテンシブコースと、通学が難しい方向けの通信コースがあります。
いずれも、初級で動物介在活動、中級で動物介在教育、上級で動物介在療法について学びます。
アニマルセラピーとは?という基本的なことから、犬の習性や病気、対象者の心理やリハビリテーションなど、幅広く学ぶことができます。
価格は327,800円ですが、他の講座にはないドッグセラピーに特化した内容を学習できるので、トータルのコスパは悪くないといえるでしょう。
専門学校ビジョナリーアーツ
専門学校ビジョナリーアーツのアニマルセラピー専攻では、座学と実習により、セラピー犬の育成からアニマルセラピーに必要な知識と技能を身に着けることができます。
実際に介護施設などの現場に訪問することができるので、実践経験を積めるだけでなく、人の障害事例を学び、基本介護を習得することもできるので、対象者についても学べます。
学校法人なので、2年間しっかり午前午後と通える方が対象となります。
費用は、初年度納入金額1,370,000円に加え、教科書、保険、行事費など20~30万円がプラスされます。
奨学金や各種教育ローンを活用することができます。
最近は動物について学べる専門学校が閉校するケースもあります。
将来、動物業界で働きたいと考えている学生さんにはおススメの学校です。
学会で学ぶ
勉強するとなると、学校へ行ったり通信教育を活用することを連想される方が多いと思いますが、学会もひとつの方法です。
実際に、mamioもドッグセラピーについて学会で報告した経験があります。
しかも、学会は最先端の技術や知識が報告される場でもあるので、基本知識と合わせて身に着けられると理想的です。
ヒトと動物の関係学会
ヒトと動物の関係学会は平成7年に発足し、動物自体の特性についてだけでなく、動物と人の関りにおける課題の対策方法についても議論されています。
気になる学会誌があれば購入することもできますし、学術大会を見ることもできます。
学会誌はHPから内容を確認し、在庫があれば気になるもののみ単品で購入可能です。
学術大会は毎年開催されていて、昨今の新型コロナウイルスの感染対策を取り入れ、対面とオンラインの併用をしています。
直近では2022年3月に学術大会を開催し、「動物園の生息環境展示と動物福祉について」などのシンポジウムの他、「不登校生の教育支援室のおけるドッグセラピー導入」の口頭発表など、ドッグセラピーに関する発表もありました。
ドッグセラピー(アニマルセラピー)に限定した内容ではなく、ヒトと動物との関わりについて広く知識を得ることができます。
動物介在教育・療法学会(ASAET)
動物介在教育・療法学会は、「ひとと動物のかかわり研究」と「日本動物介在教育・療法学会」が平成23年に統合されたものです。
動物への倫理的配慮を重視しながら、動物を介在させた活動が人間の心身の健康や教育に及ぼす影響について研究、実践をしています。
具体的には、研究論文を掲載した学術誌の発行、学術大会の開催、普及啓発活動、資格認定の活動をしています。
学会名のとおり、動物介在教育や動物介在療法に焦点をあてた報告が多数あり、最新の動物介在療法について情報収集できます。
2022年10月15日(土)に、学術大会が開催される予定です。
「高齢者施設における動物介在療法」という仮のタイトルのシンポジウムも開催されます。
まとめ
広く知られるようになってきた動物介在療法ですが、まだまだ勉強できる場は限られています。
実際に動物介在療法に携わっている人も少ないのが現状ですし、受け入れる施設も少ないです。
その限られた環境の中でも、知識を得ることはできます。
自分に合った方法で動物介在療法について学べるよう、この記事で紹介した方法も検討してもらえると嬉しいです。