愛犬がセラピー犬になれる?適性や注意点を紹介。

ドッグセラピー

最近、全国の病院や施設で「ドッグセラピー」をしているというニュースを多く聞くようになりました。

ドッグセラピーの多くは、ボランティアによるもので、一般の飼い主さんが愛犬をセラピー犬として育て、施設訪問に参加しています。

「うちの愛犬でもセラピー犬になれるかな?」

「愛犬をセラピー犬にしたいけど、何をするのか分からないから心配」

という不安がある方に、セラピー犬のボランティア内容やセラピー犬に適性のある犬について解説していきます。

セラピー犬とは?

人と犬との交流により、身体や心のケアを行う活動を、ドッグセラピーと呼びます。

セラピー犬とは、ドッグセラピーの現場で活躍している犬たちのことです。

ドッグセラピーをすることで、様々な良い効果が得られています。

精神的に落ち着かず、暴力的になりやすい状態の対象者が、ドッグセラピーによって心を落ち着かせることができ、暴力が減ったという症例があります。

また、ネガティブな気持ちになっている対象者が、ドッグセラピーによって前向きな気持ちになり、治療やリハビリに意欲的になれたという症例もあります。

まみお
まみお

医療、福祉の現場を中心に、セラピー犬は活躍しているのです。

セラピー犬については、コチラの記事も参考にしてください。

セラピー活動内容

人と犬が交流して行うドッグセラピーですが、具体的にセラピー犬はどのようなことをしているのかを説明します。

日本の各地域に、数多くのドッグセラピー団体があり、その団体によって活動内容は異なっています。

ドッグセラピーの種類を大きく分けると、次の3種類に分けることができます。

①ふれあいによるドッグセラピー  ⇒ 主にボランティアが活躍しています。

②レクリエーションによるセラピー ⇒ 一部ボランティアも活躍しています。

③リハビリテーション       ⇒ 医療の専門家が行っています。

ボランティアが活躍できる2つのセラピーについて、セラピー犬の活動内容を説明します。

ふれあいによるドッグセラピー

ふれあいによるドッグセラピーでは、対象者の方に、セラピー犬を撫でてもらったり、抱っこをしてもらったりしながら、ゆっくりと一緒に過ごします

まみお
まみお

対象者の中には、犬に「お手」など簡単な芸をさせたがる方もいるので、飼い主以外の人の指示でも出来るようにしておくと喜ばれます。

セラピー犬を撫でるのが好きな方もいれば、しっかり抱きしめるのが好きな方もいます。

対象者によって、ふれあいの方法は様々なので、愛犬にストレスがかからない程度に、対象者の好む交流ができるのが理想です

レクリエーションによるドッグセラピー

レクリエーションによるドッグセラピーでは、集団の前で、セラピー犬を紹介したり、得意技を披露するなどして、レクリエーションを行います

得意技は難しい技である必要はありませんが、犬の動きが大きく、見栄えのする技の方が重宝します。

レクリエーションを引っ張る司会者の話術も長けている方が好ましいです。

まみお
まみお

参加者のレベルに合わせてレクリエーションの構成を考える必要があるので、事前の準備がとても大切です。

1回のドッグセラピー時間は、30分~60分で構成されることが多く、ふれあいによるドッグセラピーと、レクリエーションによるセラピーを組み合わせて実施している団体もあります。

セラピー活動場所

ボランティアのセラピー犬が、主にセラピー活動を行っている場所は施設と病院です。

ドッグセラピーで訪問する施設は、老人ホームや介護施設などの老人向け施設が最も多いですが、障害者施設や児童館や小児科や精神科などの病院への訪問活動も増加傾向にあります。

老人向け施設に入所されている対象者は、犬の飼育経験のある方も多く、犬に好意的な方が多いため、セラピー犬の訪問はQOL(生活の質)の向上に結び付きやすいです。

私が定期訪問している老人施設でも、犬の訪問を心待ちにされている方が多いのだと、施設職員さんが教えてくれました

児童館などで行う子どもむけのドッグセラピーは、命の大切さや生き物を大切にする思いやりの心を育むことを目的とした活動です。

子どもの発達に良い効果があり、子どもが好きなセラピー犬にピッタリな活動です。

もちろん、飼い主さんが子どもを好きだと活動がしやすいです。

活躍している犬について

ドッグセラピーの現場では、小型犬から大型犬まで様々な種類の犬がセラピー犬として活躍しています。

種類によってドッグセラピーができない犬はいません

実際に、プードル、コーギー、ポメラニアン、マルチーズ、雑種など多くの犬種が現場で活躍していますし、小児病棟ではラブラドールレトリバーなどの大型犬が働いています。

ただ、チワワなど超小型犬といわれる種類の犬は、対象者に強く抱きしめられた際に、骨折などの怪我がないように細心の注意が必要です

愛犬がセラピー犬になれる?

現役で活躍しているセラピー犬について紹介してきましたが、ご自宅の愛犬もセラピー犬になれるのか、まだ自信が持てない方のために、セラピー犬の適正やしつけについて説明していきます。

セラピーに向いている犬

ドッグセラピーができない犬種はないと説明しましたが、犬ごとの性格によって向き、不向きは変わってきます。

人間が大好きで、あまり神経質ではない犬は、大きなストレスなくドッグセラピーをしやすい傾向があります。

ドッグセラピーの対象者が老人のこともあれば子どものこともありますが、どちらにしても人間とふれあうために訪問するので、人間が好きな犬の方がドッグセラピーを楽しめるでしょう。

もし、「人間は好きだけど子どもは苦手」など苦手なものが分かっているのであれば、訪問施設を限定することで問題を解決できます

また、セラピー現場は、普段の生活環境とは異なり、場所によっては、対象者が車椅子に乗っていたり、大声をあげていたりすることもあります。

そのように普段と全く違う環境でも、飼い主が一緒にいれば、すぐに場慣れできる犬の方が負担なくドッグセラピーに参加できます

知らない相手だとしても人間が大好きで、あまり神経質ではない犬の方がドッグセラピーを始めやすいです。

セラピーに向いていない犬

セラピー犬に向いていないのは、向いている犬の反対です。

つまり、知らない人間とふれあうのが嫌いで、神経質な犬は、あまりドッグセラピーに向いていません。

ドッグセラピーは、慣れていない場所に行き、知らない人に会いに行く活動です。

それがストレスに感じてしまう犬は、あまりドッグセラピーに向いていません。

まみお
まみお

ドッグセラピーをすることが負担になってしまうのは、犬にとってもマイナスですし、そのような犬を現場に同行させても、あまり良い影響は得られないのでおススメはできません。

セラピーに向いていない犬種は特定できませんが、柴犬などの日本犬は飼い主以外の人間に友好的な態度をとりたがらない個体が多い傾向があります。

もちろんセラピーの現場で活躍している日本犬も多くいますが、愛犬の性格をよく見て判断する必要があります

必要なしつけ

ボランティア活動といっても、セラピー犬として活動するためには、ある程度のしつけが必要です。

ドッグセラピー団体によって、必要な条件は違いますが、アイコンタクト、スワレ、フセ、マテ、トイレなどの基本的なしつけができていることは求められることが多いです。

また、噛みつき(甘噛み)、とびつき、無駄吠えのような攻撃的な行動のないことも求められます

セラピー活動中に、セラピー犬が怪我をしないようにすることは大事ですが、同時に対象者にも怪我をさせないことが大事です。

”絶対”ということはないですが、セラピー犬の攻撃的な行動がなければ、対象者に危険が及ぶ可能性が低くなります。

まみお
まみお

わざとではなくても、怪我を負わせてしまう可能性はあります。万が一の事故に備えて、ボランティア保険への加入をおすすめします

愛犬と一緒にセラピー活動をしたい

愛犬をセラピー犬に育てられたら、飼い主も一緒にドッグセラピー活動に参加したいと思う方が多いでしょう。

実際、多くのボランティア団体では、飼い主も一緒に活動に参加できるシステムになっています

ただ、団体によっては、活動に参加する前に、犬と飼い主それぞれに適正テストが課されることもあります。

ドッグセラピー訪問をする前に、知識を身に着けるのは大事ですし、安心なので、「ドッグセラピーとは?」という知識を身に着けてから活動に参加されることをおススメします。

セラピー犬の資格とボランティア募集

セラピー犬が、取得しなくてはいけない資格は、特に決まっていません。

各セラピー団体ごとに、決まりが違うので、確認が必要です。

ドッグセラピーを行っている団体は、日本の各地にたくさんありますが、参考に、一般家庭の犬をセラピー犬として募集している、ドッグセラピー団体をいくつか紹介します。

JAHA(日本動物病院協会)

JAHA(日本動物病院協会)は、全国でドッグセラピーを行っている非常に大きな団体です。

ドッグセラピーの活動を「人と動物のふれあい活動(CAPP)と呼んでおり、全国の会員動物病院とボランティアとで行っています。

活動に参加するには、まず最初にCAPPの見学をしてから、「動物の適正チェック」「健康診断」を行います。

適正チェックでは、オスワリやマテなどの基本的なしつけができているか、などの項目があります。

健康診断は、かかりつけの動物病院で行い、年1回の診断書の提出が義務付けられています。

また、参加条件として愛犬の年齢が、満1歳以上となっています。

国際セラピードッグ協会

一般社団法人 国際セラピードッグ協会 は、東京都中央区にあるドッグセラピー団体で、音楽家の大木トオルさんが創始者であることで有名です。

全国の高齢者施設、障害者施設、病院などでセラピー活動が行われています。

愛犬とドッグセラピーの活動に参加したい方のための訓練会があり、国際セラピードッグ協会の試験に合格すると参加することができます。

アニマルセラピーこころサポート協会

一般社団法人 アニマルセラピーこころサポート協会は、神奈川県藤沢市にあるアニマルセラピーこころサポート協会では、愛犬をセラピー犬として育て、一緒にセラピー活動のボランティアをすることができます。

高齢者施設、障害者施設、一般企業など、多くの場所でドッグセラピーを行っている実績があります。

セラピー犬の認定は生後8か月以上、狂犬病・混合ワクチン接種済(証明書提出必要あり)です。

愛犬と一緒にセラピー活動をする場合、飼い主は追加で別講座を受講する必要があります。

社会福祉協議会

全国各地にある社会福祉協議会では、ボランティアを募集しています。

全ての場所でドッグセラピーを募集しているわけではないですが、場所によってはドッグセラピーのボランティアを募集しているのでチェックしてみてください。

まとめ

愛犬と一緒にドッグセラピーのボランティア活動をしたい方にむけて、セラピー犬の活動内容や適正について説明してきました。

セラピー犬と対象者のふれあいが主な活動となりますので、慣れない場所で知らない人とふれあうことが大きな負担にならない犬の方が向いています。

また、愛犬が怪我をしないことと同時に、対象者に怪我を負わせないようにすることが大切です。

対象者に対して吠えたり、噛みついたり攻撃的な行動がある犬は、今すぐ活動に参加することは難しいでしょう。

ですが、トレーニングにより攻撃的な行動がなくなれば、活動に参加できる可能性は十分にあります。

ドッグセラピーのボランティアに参加する際には、愛犬の性格やしつけの度合を確認してから、セラピー団体に問い合わせてみてください。

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