ドッグセラピーを行うときに、犬に服を着せて行う方も多いのではないでしょうか。
高齢者へのドッグセラピーを行うときに服を使うことは、犬の可愛らしさを演出するだけではなく、様々なメリットがあります。
犬の服は、ドッグセラピーの効果をより高めることができるアイテムなのです。
本記事では、高齢者へのドッグセラピーに「学生服」をとりいれる方法と効果について紹介していきます。
ドッグセラピーに犬の服を使うメリット
高齢者へのドッグセラピーで、犬の服を使うことには、いくつかのメリットがあります。
・視覚的に「可愛い」と感じる効果
・抜け毛の飛散防止効果
・季節感の認識の補助効果
・回想法の効果
見た目の印象で「可愛い」と感じる精神的な作用から、認知症の症状のひとつである見当識障害に作用する効果まであります。
犬の服は利用の仕方で、治療の効果を広げることができます。
詳しくはコチラの記事を参考にしてください。
ドッグセラピーと学生服
犬の服は色々なデザインが販売されていますが、その中でも「学生服」をドッグセラピーに使う効果について解説していきます。
『学生服』を使うメリット
本人の学生時代の思い出
高齢者の多くの方が、学生時代に「学ラン」や「セーラー服」を着た思い出をもっています。
犬が学生服を着て披露することがきっかけとなり、回想法へとつなげられる可能性があります。
当時の記憶を思い出し、脳を活性化させることで、認知症の進行予防や精神的な安定の効果が得られる効果があります。
実際に学生服姿のセラピー犬を見た対象者の方からは、「私もセーラー服を着ていたのよ」と、自分の学生時代のことを思い出されていました。
そして、どんな友達がいたのか、どんな科目が得意だったのかと話題が広がっていきました。
学生時代を思い出し、明るい気持ちになれると、他の物事にも意欲的になれます。
家族の学生時代の思い出
3月の卒業式シーズンや4月の入学式シーズンに学生服を使うと、自分の学生時代だけでなく、子どもの学生時代を思い出す方もいらっしゃいます。
認知症になると、自分の年齢さえも認識できず、自分は20代だと思い込んでいるケースもよくあります。
実際に認知症の方のドッグセラピーの際、学生服姿のセラピーが刺激となって、我が子の入学を思い出し、家族のことを話し始めた方がいらっしゃいました。
普段は、「私は子どもだから、お母さんがそこにいるはず」と焦りが強い方でしたが、「子どもの卒業がね」と穏やかに会話をすることができました。
『学生服』を使うデメリット
セラピー犬のストレス
ドッグセラピストmamioは、ドッグセラピーに学生服を使うことがデメリットになるケースは、これまで経験したことはありません。
ですが、デメリットとなる可能性がある項目としては、「服を着ることが犬のストレスになる」ことです。
実際の制服の生地に似た作りになっているものが多く、学ランもセーラー服も市販で売られている服は、伸びにくい生地で作られています。
伸びない生地の服は着脱しづらく、ストレスに感じる犬もいます。
普段から服を好まない犬には無理やり着させない方が良いです。
学生服に嫌な思い出が強い
学生時代に特に嫌な思い出がある方だと、学生服を見るのも嫌だと感じてしまう方もいるかもしれません。
また、学校に行きたかったのに行かれなかった、などの事情のある方にとっても、学生服は嫌な思い出になる可能性はあります。
10年以上ドッグセラピーをしていますが、そのような理由で学生服を嫌う方は、まだお会いしたことはありません。
犬の学生服
学生時代にちなんだ服は、学ラン、セーラー服、袴、体操服などが市販されています。
学ラン
いくつかのデザインが売られていますが、ドッグセラピストmamioが使用している学ランのデザインは、犬の背中にボタンなどがあるタイプです。
後ろから見ると、全体のデザインを見ることができます。
金色のボタンがとても目を引くデザインになっています。
襟元の校章や名札もついているので、隅々まで観察してもらうには丁度よいデザインです。
前から見ると、何もデザインがないので少し寂しいですね。
前から見たときにボタンなどの飾りが見えるデザインの学ランも売られているので、好みに合わせて入手されると良いと思います。
セーラー服
これは背中側のデザインです。
人間が着ているときと同じような作りになっています。
セーラー服のリボンは結ばず、穴に通して着るようになっています。
結ぶ仕様だと、人間のデザインとソックリなので楽しめますが、着るのに時間がかかってしまいます。
穴に通すだけなら時短になるので、レクリエーションなど限られた時間で着なければいけないときに便利です。
袴
卒業式の時に大学生が着る服として袴を利用することもあります。
対象者の学生時代には着用していなかったのですが、最近の学生さんが卒業のときに着ることを把握されている方も多いので、卒業時期に合わせ利用すると好評です。
体操服
このようなデザインの体操服も、対象者の方の子ども時代には利用していないのですが、子どもや孫が着ていたということで思い出に残っている方も多くいらっしゃいます。
名前を書けるようになっているので、直接書いてもよいですし、フエルトなどを使って着脱可能にしておくのもよいです。
秋の運動会シーズンなど、セラピー犬の大きな動きを使ったレクリエーションのときに、よく利用しています。
複数頭の犬がいるときは、色違いの体操服を使うことで、組み分けを分かりやすくすることができます。
まとめ
学生服は、高齢者の方にとっても思い出深いアイテムのひとつです。
ドッグセラピーに学生服を取り入れることで、犬との交流による効果に加え、高齢者の方の過去の経験を思い出すきっかけにもなります。
対象者の方に良い効果が得られる可能性のあるアイテムを取り入れることで、より一層、ドッグセラピーの効果を向上させることができます。
良い刺激となる可能性のあるものを見つけたら、危険のないように気を付けながら取り入れてみてくださいね。