ドッグセラピストになる方法は?必要な資格や知識について

ドッグセラピー

多くの介護施設や病院などで取り入れられているドッグセラピーですが、セラピー犬と一緒に活動している『ドッグセラピスト』は、どのような人なのでしょうか。

ドッグセラピストになってみたいと考えている方に、ドッグセラピストのなり方と、必要な資格や勉強しておきたい内容を紹介します。

ドッグセラピストになるための資格

ドッグセラピストになるためには、どんな勉強をしたら良いのでしょうか。

実は、ドッグセラピストになるために、とらなくてはいけない資格はありません

いくつかのセラピー団体が資格をだしていますが、全て民間の資格で、何も資格がなくてもドッグセラピストになることはできます。

そうはいっても、何も勉強せずに現場に出るのは不安だし、現場に出ても何もできずに困ってしまうので、何かしらの勉強をするのが一般的です。

ドッグセラピストとして働くのは、就職先が少ないため狭き門ですが、関連する資格を持っていた方が、就職に有利なのも確かです。

では、実際にどこでドッグセラピストの資格や知識を取得できるのかを紹介していきます。

ドッグセラピスト(アニマルセラピスト)

ドッグセラピストを目指したい人のために、ドッグセラピーとは何かということを学べ、学校独自の資格を取得できます。

専門学校ビジョナリーアーツ

東京都渋谷区にある 専門学校ビジョナリーアーツ のペット学科・アニマルセラピー専攻では、セラピー犬の育成、訓練について学び、ドッグセラピーの実習を経験することができます。

また、ドッグセラピー以外に、犬のしつけや基本のトリミング方法など、犬に関する知識全般を身につけることができます。

ヤマザキ動物看護大学

東京都八王子市にある ヤマザキ動物看護大学 の動物人間関係学科・アニマルセラピー研究室では、「動物がヒトの健康にもたらす効果」をテーマに研究を行っています。

学術的に証明できていないアニマルセラピーの効果について研究することができます。

つくば国際ペット専門学校

茨城県つくば市にある つくば国際ペット専門学校 ペットケア総合コースでは、トリミングやトレーニングなどの技術を身につけられます。

アニマルセラピー実習では、実際に施設を訪問してアニマルセラピーの経験を積むことができます。

ウィジードッグアカデミー

ウィジードッグアカデミー では、ドッグセラピストドッグセラピスト養成講座があります。

東京校以外に、名古屋、大阪、岡山などに学べる場所があります。

ドッグセラピーについて学べる学校の中では珍しく、ドッグダンスを勉強することができます

実際に施設訪問をして、ドッグセラピーの技術を身につけることができます。

NPO法人日本アニマルセラピー協会

神奈川県大和市にある NPO法人日本アニマルセラピー協会 ではアニマルセラピスト資格取得講座があります。

スクーリング、もしくはオンラインでの3か月集中コースと、通信コースが設けられています。

施設訪問活動で、ドッグセラピーを経験することができます。

ドッグトレーナー

ドッグセラピーを行う前に絶対にやらないといけないのが、犬のトレーニングです。

警察犬や盲導犬ほどの厳しい躾までは必要なくても、基本的な躾は必要です。

ドッグセラピー現場では、犬の躾ができる人材は絶対に必要です。

また、愛犬を躾して現場に同行することができるので、とても有利です。

ドッグトレーナーの資格は、日本各地の動物専門学校を中心に、取得できる学校が数多くあります。

また、最近では通信教育も充実しているので、自宅にいながら知識を身に着けることができます。

仕事や家事で忙しく、自由な時間を作りにくい人にはおすすめです。

臨床心理士

ドッグセラピーでは、セラピー犬と対象者が交流する手助けをセラピストが行います。

特に対象者と1対1の個別のドッグセラピーをする際の、対象者心の安定をサポートするには、心理学を勉強しておくと非常に役にたちます。

臨床心理士として個人で開業しながら、ドッグセラピーをされている方もいます。

通信教育で学ぶこともできます。

介護士

高齢者や障害者など、身体の不自由な対象者の理解やサポートができるので、介護士の資格があると現場で役に立ちます。

また、普段は介護士として働いている職場で、ボランティアとしてドッグセラピー活動をしているケースもあります。

普段から接している対象者にドッグセラピーを提供するので、不安なく活動することができるのが強みです。

ドッグセラピーができる場所

ドッグセラピーをするためには、どこに問い合わせたら良いのでしょうか。

ドッグセラピー団体

ドッグセラピストの資格を取得できる団体では、資格取得後にドッグセラピー活動にボランティアとして参加することができます。

ボランティアでドッグセラピーの経験を積みながら、求人がでるのを待つ人もいます。

ただし、必ず求人がでるとは限らないので、就職できる保証はありません。

ドッグセラピー団体はインターネットで検索もできますし、各市町村の社会福祉協議会のボランティア募集で探すこともできます。

ドッグセラピーを取り入れている施設

グループホームや病院など、一部の施設、病院でドッグセラピーを取り入れています。

普段は介護士など他の仕事をして働きながら、兼任でドッグセラピストの仕事ができるケースもあります。

また、求人数は非常に少ないですが、正職員のドッグセラピストとして募集しているケースもあります

まみお
まみお

私は、他の仕事をしながら、ドッグセラピーの求人がでるのを待って就職しました。

ドッグセラピストの仕事内容

ドッグセラピストは、具体的にどのような仕事をしているのか、紹介していきます。

セラピー犬の訓練と健康管理

セラピー団体によって、セラピストの飼育犬をセラピー犬としているところもあれば、団体に所属している犬をセラピー犬にしているところもあります。

訓練所でしっかり躾された犬でセラピーをしている施設もありますが、犬はずっと訓練をしないで暮らしていると、ラクを覚えて訓練した動きが曖昧になっていきます。

そこで、セラピー犬には普段から必要な訓練をしておく必要があります

また、犬と共に生活するとなれば、身の回りの世話をするのは絶対必要ですし、常に衛生的で健康でいられるように、健康管理をします

セラピー活動準備

どのようなドッグセラピーをするときでも、必ず事前準備は行います。

活動場所、活動時間、対象者の状態を把握し、訪問先の担当者と事前打合せをしてからセラピーを行います。

活動の内容はもちろん、セラピー犬の体調、衛生管理に必要な項目の確認も必要です。

さらに、セラピー犬が入室しても大丈夫なエリアも必ず確認しておきます。

セラピー活動

事前の準備が整ったら、実際にセラピー活動を行います。

セラピストとセラピー犬が一緒に対象者の元に訪問します。

活動することで、対象者の方にプラスの効果が得られるように、ふれあいやレクリエーションなどを行います。

セラピー犬にストレスがかからないように気をつけながら、対象者の安全にも配慮します。

なお、ドッグセラピーの活動内容について知りたい方は、コチラの記事を参考にしてください。

ドッグセラピストとして働く注意点

ドッグセラピストについて紹介してきましたが、ドッグセラピストをする時に気をつけるべきポイントがあります。

仕事としてできるところが少ない

これからドッグセラピストを仕事として始めたい方に注意してもらいたいことは、「就職先が非常に少ない」ということです

日本では、アメリカやヨーロッパのようにドッグセラピーがあまり普及していません。

施設や病院の中に犬が入るので、衛生面の問題が発生しますし、医療の現場でも介護の現場でも、ドッグセラピーを行っても、ドッグセラピー活動はサービスでしかなく、施設の収入にはなりません。

独自にドッグセラピーをしているところは、その経費は全て赤字となっています。

おまけに2020年以降は新型コロナウイルスの影響で、セラピー犬と対象者の「ふれあい」活動は減少傾向にあります。

衛生面と金銭面の問題から、医療、介護の施設が積極的にドッグセラピスト専門の職員として採用することは、ほとんどありません

ドッグセラピー団体への就職という方法もありますが、そもそも団体の数が少ないのでドッグセラピストを職業とするのは狭き門です。

ボランティアでドッグセラピストをしている人の方が、圧倒的に多いのが現状です。

動物のストレス

ドッグセラピーの現場に犬を連れていくときに、ドッグセラピストが1番注意しないといけないのが、犬のストレスです。

施設や病院などの現場では、車椅子や杖で歩行している人など、日常生活には目にしない光景が普通にあります。

また、現場によっては、大声をだしてしまう対象者や動きが大きく落ち着かない対象者もいます。

そのような状況で、犬を守ることができるのはドッグセラピストだけです。

セラピー犬のストレスを見逃さず、絶対に無理強いをしないことが大切です。

犬は頭の良い動物なので、強いストレスを感じた場所を記憶できます。

その場所に再び訪問することで、セラピー犬の心身のバランスを崩す恐れがあるので、注意が必要です。

セラピー犬のストレスについては、コチラの記事を参考にしてください。

犬が嫌いな人もいる

ドッグセラピーの現場に訪問する前に、犬の好き嫌いやアレルギーについての確認を行います

実際に訪問してみると「好き」だと言っていたはずの対象者が、犬を怖がったり嫌がることもありますので、対象者が皆、犬を好きだと思いこまず、1人ずつの反応を見て交流していきます。

動物アレルギーのある対象者には、セラピー犬が近づかないように注意が必要です。

まとめ

ドッグセラピストは、セラピー犬と一緒に施設や病院などを訪問して、対象者の心身を癒すことのできる人材です。

年齢や性別に関係なく、誰でもドッグセラピストを目指すことができます。

ドッグセラピストを職業とするのは、就職先が非常に少なく難しいですが、少しずつ需要が高まってきています。

ドッグセラピストを職業とできる人の数も、少しずつ増えてきています。

愛玩動物飼養管理士は、ドッグセラピーを仕事として取組みたい場合には、必要な資格になることもあります。

ドッグセラピー現場での活動の詳細についても当ブログで紹介しています。
良かったら参考にしてください。

タイトルとURLをコピーしました