犬の心臓病の強い味方!?肉球で測定する心電図とは?

犬のこと

犬の死因の中で、心臓病は2番目に多いといわれています。

それだけ心臓病になる犬が多く、治療を頑張っている犬がたくさんいるということです。

どんな病気でも同じように、心臓病の治療を始めるためには、まず検査を行う必要があります。

そんな検査の助けになる、肉球で測定する心電計について、実際に愛犬の検査を行ってきた様子を交えて紹介します

心電図とは?

心電図とは、心臓から発生している電気信号を、目に見えるように記録したものです。

心臓は、収縮と拡張を繰り返すことで全身に血液を送り出しています。

この時、心臓は電気を作りながら動いており、この電気信号の大きさと向きを確認することで、心臓疾患の発見に役立てることができます。

心電図で何が分かる?

心電図検査で、不整脈の診断ができます

また、心臓の動く回数やリズムを確認したり、心臓の血管が狭くなっていないかなども確認することができるので、狭心症や心筋梗塞などの心臓疾患を推測することができます

犬に多い心臓疾患の僧帽弁閉鎖不全症は、併発して不整脈を生じる場合もあります。

何か異常が疑われる場合には、エコーやレントゲンなどの他の検査も行って確認する必要はありますが、身体への負担が少なく心臓の状態を把握できる検査なので、健康診断などでも広く取り入れられている検査のひとつです。

一般的な心電計

一般的に行われている心電図検査は、犬の体を横向きに倒し、身体に複数の電極を貼り付けて行います。

複数の電極から送られてくる信号により、心疾患の診断に繋げることができます。

しかし、電極を貼り付けたままの状態で測定が終わるまで待っていることは、犬にとってはとても難しいことです。

しかも、犬が緊張しやすい動物病院の診察室の中で行わなければならないため、犬への負担が大きいです。

長時間、心電図を確認する必要がある場合は、ホルター心電図を使用します。

ポータブルの心電計つきの洋服を数日間着たまま過ごすことで、発作が起きた時の心臓の状態を知ることができます。

肉球で測定する心電計

先ほど、一般的な心電計の測定方法は、犬への負担が大きいことを説明しましたが、その問題を解決してくれる心電計があります。

それは、シートの上に立っているだけで心電図を測定できる心電計です。

心電計の電極が4枚のシートで作られていて、各シートそれぞれに犬の足が乗るように1分ほど立っているだけで、心電図を測定できます。

横向きに寝た姿勢を維持する必要がないため、犬への負担が非常に軽くなります。

また、ヒトへの心電図測定でも問題視されることですが、従来の心電計では複数の電極を一つずつ正確な位置に貼り付けていく必要があります。

しかも嫌がる犬に対して素早く装着しなくてはいけません。

そのため、熟練者でなければ正確な位置に素早く装着することは難しいという問題がありました。

シート状電極の心電計は、それらの問題も解決し、犬へのストレスがなく、簡単で正確に測定できるメリットがあります。

株式会社HACARUSのHPにも製品について記載があり、コチラから確認できます。

測定おためしレポート

2023年7月の時点で、全国の動物病院の100箇所以下しか導入していない心電計なのですが、肉球で測定できる心電計を試してきました。

測定をしている様子から測定結果までをご紹介します。

測定する

こちらが心電計本体で、一般的な心電計と比べると小さなサイズで持ち運び可能なものでした。

mamioのお世話になった動物病院では、診察台の上に、心電計の本体とシート状の電極を乗せて使用していました。

電極シートの足を乗せる位置には、あらかじめ濡らしておく必要があるようです。

そのため、足元が少し濡れますが、従来の心電計と比べればストレスは非常に小さいです。

先ほど濡らした4か所に足を置いて、測定を開始すると、1分以内に測定終了となりました。

動いてはいけないという制約はありますが、手で犬の体を支えていられるので、1回で問題なく測定することができました。

測定結果

測定データをAI解析し、4段階で評価をしてくれます。

全国の測定結果を基に解析されるとのことで、この心電計が普及すればするほど、正確な解析が行えるようになるとのことでした。

この心電図の結果は、心疾患が疑われるかどうかの判断に使用できる内容となっています

mamioの愛犬の心電図結果は、

・疾患が見つかった割合 → 「やや多め」

・AIから飼い主へのアドバイス → 「獣医師の指示があれば必要な検査を受けてください」

とのことでした。

愛犬には心疾患があるので、正しく判断されていることが確認できました。

なお、現段階では心電図の波形データは手渡ししてもらうことはできないとのことでした。

まとめ

肉球で測定できる心電図について、実際に測定したレポートと合わせて紹介しました。

心疾患の評価に欠かせない心電図ですが、これまでの心電計は犬に与えるストレスが大きく、健康診断として手軽に行うにはハードルが高い検査でした。

ですが、シートの上に立つだけで測定ができる心電計なら、気軽に検査を受けることができます。

まだ導入していない動物病院も多いかもしれませんが、愛犬の健康診断の手段のひとつとして、知っておいて損はないと思います。

健康に見えても、何かしらの病気が隠れているかもしれないので、機会があれば検査を受けてみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました